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異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する
異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する
Auteur: 月歌

第1話 異世界で女体化生活開始!

Auteur: 月歌
last update Date de publication: 2025-11-16 22:42:55

草薙智也(くさなぎ・ともや)は、妹の草薙モモ(くさなぎ・もも)、そして幼馴染の五十嵐蓮(いがらし・れん)と──

よく分からないまま異世界へ飛ばされることになる。

◇◇◇

事の発端は、蓮が路上で妙なノートを拾ってきたことだった。

放課後、蓮は当然のように智也の部屋へ入り、モモも当然の顔でくっついてくる。

蓮のファンである中学生のモモは、すばやく彼の隣へ陣取り、ひたすら「蓮ちゃん」と距離を詰めている。智也は鬱陶しげに眉を寄せるが、この賑やかさが嫌いなわけでもない。幼馴染と妹がそばにいる──それだけで、空気はどこか明るい。

その明るさを、わざと冷やすように智也が皮肉を投げた。

「金持ちの五十嵐家の御曹司が、路上で知らないものを拾っちゃいけませんって教わらなかったのか?」

蓮はたいして気にした風もなく肩をすくめる。

「いや、我が家の家訓は、何でも拾え。何でも奪え。欲しい物は強引にでも手に入れろだ」

――なんだその教育。

智也の口が尖る。

「……なるほど、そうやってお前の家は金持ちになったんだな」

横でモモが手を叩いてはしゃぐ。

「蓮ちゃんのお嫁さんになるモモは、お金持ちの夫人になるのね。智也お兄ちゃんが路頭に迷ったら、私専用の運転手に雇ってあげてもいいわよ、ねー、蓮ちゃん!」

蓮は腕を組み、くすっと笑った。

「ペットの世話係で十分だろ、智也には」

智也はむっとする。だが、蓮がからかい半分で言っているのが分かる。この軽口の応酬は、高校入学前から続いているいつものことだ。

「モモも蓮も、僕の部屋から出て行ってくれ」

つい言い出したものの、智也に本気で追い出す気はなかった。口先だけの抵抗だ。

蓮は智也の抗議を軽く流し、ノートを取り出してページを捲る。そこには、汚い字で謎めいた文が記されていた。

『新たな世界に旅立つ勇気のあるものは、このノートに思い通りの物語を紡ぐがよい』

智也は思わず鼻で笑う。

「はぁ……これ絶対小学生の悪戯だろ。字は汚いし。デスノートの真似事か?」

「まあそう言うな。小学生の悪戯かどうかは書き込んでみれば分かる」

蓮は楽しげだ。こういう冗談にいちいち乗ってくる性格なのは昔からだ。

モモが身を乗り出す。

「うん、うん。蓮ちゃん、何か書き込んで」

彼女は智也の机から勝手にボールペンを拝借し、蓮へ差し出す。智也は止めようとしたが、この勢いはいつものことで、つい見守ってしまう。

蓮はさらさらとノートに文字を書き、ページをこちらへ向けてきた。

『俺たち三人は今から一分後に異世界に行く。草薙智也は女体化して、草薙モモは猫耳娘になり、五十嵐蓮は最強の魔法使いとなる。彼らの目的は、愛する人と出逢いセックスすること。それでこの物語は完了して、元の世界に戻ってくることができる。以上。』

智也の目が飛び出そうになる。

「げっ! 何で僕が女体化なんだよ!」

モモは跳ねるように歓声をあげた。

「きゃー、蓮ちゃんは最強の魔法使いなのね。カッコイイ!」

「モモ、僕の女体化を心配してくれよ!」

蓮は落ち着いた様子で言う。

「落ち着け、草薙兄妹。とにかく、一分待つとしよう」

唐突すぎる提案だが、その冷静さが逆に馬鹿らしくて、智也は笑い出しそうになった。

◇◇◇◇

そして一分後──

空気がふっと抜け、世界が歪んだ。

目を開けば、三人は見知らぬ森の中に立っていた。背の高い木々。奇妙な形をした葉。湿った土の匂い。

智也は目を瞬かせる。モモは頭を撫で、自分に生えている猫耳を見てぴょこぴょこ跳ねる。蓮はいつの間にか立派なマントをまとい、"魔法使い"らしさを全力で醸し出していた。

……いや、それどころではない。

智也は自分の姿に気づき、絶句する。女になっていた。しかも──

「ぎゃぁあああーーーー、何で裸なんだよぉおおーーーーーー!!」

智也の悲鳴が森に響き渡る。揺れる胸が、視界の端でぶんぶん主張してくる。羞恥で頭が混乱し、森に不釣り合いな叫びが木霊した。

――いやいや、なんでだよ!

智也の思考が空回りする。高校二年生の男子が、異世界で裸の女になっている。全てが、悪ふざけの延長にしか思えない。

ただ一つ、確かなことがあった。

三人は、本当に異世界に来てしまったのだ。

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